かけがえのないもの(養老孟司/新潮文庫)
ヨハネスの問い(ハインツ・ケルナー著/原田千絵 訳/飛鳥新社:Johannes / Heinz Koerner:Japanische Übersetzung ・ Chie Harada)
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両方とも古い著作ですが、様々な面白い見方や温かい気づきを与えてくれる良書でした。ありがとうございます![]()
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かけがえのないもの(養老孟司/新潮文庫)
人間の存在は自然であり、都市が人工空間であるという対比を前提に置き、様々な「かけがえのないもの」について著者が講演した内容をまとめたもの。
本来かけがえのないものであるはずの人間の身体や、自然そのものであるこどもたちとの向き合い方、より良い人生を送るとはどういうことか、現代において人間そのものがどのように変容してきているか、などについてあらゆる定理や観察、摂理などを横断しながら語ってゆく。
著者の専門分野となる解剖学のほか、生物学、遺伝、はたまた仏教の禅、儒教、歴史、文学などの知見を交えた叙述は圧巻。
はじめは白日社によって編まれ、やがて新潮が文庫化したようだが、この一連の講演のはじまりは94年あたりらしいのできっかけは約30年も前にさかのぼる。
それでいて現在でもしっかり通用する内容なので大変読みごたえがある。人並外れた知性と豊かな情緒に驚かされるばかりだった。著書をすでに何冊か購入済みなのでこれから少しずつ読んでいくのが楽しみ。
ちなみに、あとがきは臨済宗の僧侶で作家でもある玄侑宗久 氏が軽妙に筆を揮っている。
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ヨハネスの問い(ハインツ・ケルナー著/原田千絵 訳/飛鳥新社)
商社に勤務する30歳の男性クラウス・ヴォルフは、何やらいつもと違う朝を迎えた。彼はうっすらとした違和感を抱きながら、いつしか森へ辿りつく。
そこには見知らぬ、あるいはどことなく見知っているような不思議な老紳士ヨハネスがベンチに腰掛け、柔和な様子でクラウスの来訪を待っていた…。そんな印象的な幕開けのささやかな物語。
自分自身を生きることはどういうことか、幸と不幸を分けているものは何か、老紳士との様々な問答を通してクラウスは自身の生き方を見つめ直していく、という筋。
1970年代後半、ドイツで二千部だけ出版されてからじわじわと話題を呼び、現在では120万部を超えるベストセラーとなった不朽の名作であるという。
訳者である原田千絵 氏の翻訳のためかテンポよく読み進めることができる。「このくだりは翻訳が大変だったんだろうな…」と思わせる白熱したシーンがあったり、清涼な森の空気やごつごつした岩場といった情景が映像として脳裏に浮かぶような見事な叙述も見られ、最後のページまで退屈しなかった。
自分自身に引き寄せて考えてみると、若干耳が痛い指摘も所々にあった。こうしたことを材料にして、自身の仕事に生かすもよし、趣味等の作品に生かすもよし、自分にとっての良書はいつも元気の種をくれる。


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